プラス糖尿病

高血糖昏睡

高血糖,昏睡

高血糖状態が長期間続く糖尿病では、意識障害による昏睡に陥ることがあります。
糖尿病による意識障害は、低血糖や脳血管障害と似た症状なので、専門家や医師以外が判断するのはとても難しいといわれています。しかし意識障害になる前にみられる症状にさえきちんと気が付けば避ける事ができます。
気付くのが遅れると命にかかわる事もあるので、どんな時に起こりやすいのか、患者さん自身が自分の状態や意識障害について把握しておくだけでなく、周辺にいる人にも理解してもらっておくようにしましょう。


1型に多い”ケスアシドーシス昏睡”

インスリンの分泌量が絶対的に不足してしまう1型の人に多くみられますが、2型で起こることも珍しくない意識障害の症状です。血中のケトン体量が増加し、ケスアシドーシスから昏睡に至るため、”ケスアシドーシス昏睡”といいます。

ケスアシドーシスとは

インスリンの作用や分泌量が極端に低下すると、体内の組織や細胞は活動する為のエネルギー源が不足し、十分に機能できなくなります。
その為臓器や組織は、ブドウ糖の代わりに蛋白質や脂肪をエネルギーとして利用しようとしますが、この時もインスリンが必要です。しかし、インスリンの作用・分泌量が不足している状態なので、そのままたんぱく質・脂肪の代謝を行うと、アセト酢酸・ヒドロキシ酢酸・アセトンという酸性物質(ケトン体)が作られ、血液が酸性になります。この状態をケスアシドーシスといいます。

症状・特徴

ケスアシドーシスになると、初期にはのどの渇きが激しくなり、水分を大量に摂取して排尿の回数も急増します。また、血液中の酸素利用率が低下するので脳をはじめとする体内の臓器や組織への十分な酸素供給が困難になります。この状態を放置してしまったり気が付かなかったりすると、だんだんと食欲が減少し、吐き気、嘔吐、激しい腹痛などが起こり、呼吸が次第に大きく激しくなります。
この状態で適切な処置を行えば昏睡症状を防ぐことができますが、この時点で対処できないと意識がもうろうとし、意識障害に陥ります。

こんな時になりやすい!

ケスアシドーシス昏睡はインスリンの投薬療法を行っている糖尿病患者が、自己判断でインスリンの注射をやめてしまったり、薬の使用方法に誤りがあったり、暴飲暴食・ストレスなどで急激に血糖値が上昇した時などに起こりやすいのが特徴です。そのため、普段から注意して生活する事で防ぐことができます。
また、2型の糖尿病患者が高血糖の状態が続いている時に、肺炎や腎盂炎、虫垂炎等の高熱のでる疾患に感染してしまうと”ケスアシドーシス昏睡”になる事があります。

2型の高齢者に多い”高血糖高浸透圧昏睡”

糖尿病の昏睡といえば”ケスアシドーシス昏睡”と思われがちですが、2型では違った状態の意識障害がみられる場合があります。特に高齢者の場合、突然起きる可能性もあるので注意が必要です。

原因・特徴

血糖値が非常に高く高血糖状態が長く続いている状態でも、血中もしくは尿中にケトン体は含まれていないまま昏睡に陥る場合があります。このように、”高血糖高浸透圧昏睡”では高血糖でもケスアシドーシスを伴わないのが特徴です。
特に2型糖尿病の高齢患者に多くみられますが、糖尿病の既往症がない場合でも発症する場合があります。

症状・注意したい状況

“高血糖高浸透圧昏睡”では、ケシアシドーシス昏睡よりも激しい脱水症状が起こります。症状が重大な場合には痙攣を伴う場合もあります。
また、2型の糖尿病では、インスリンの分泌量がある程度あっても作用が低下していたり、インスリンに対する反応が鈍くなっている場合等に起こりやすい傾向があります。膵臓の働きが低下していて、水分摂取量が少ない場合には要注意です。